しかし、成人したとはいえ大学を目指して予備校に通っており、自活はできないので、現実には扶養を必要としています。こうした場合の扶養の程度または方法については、家庭裁判所が扶養権利者(孫)の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して定めることになります。
親が大卒で、同程度の学歴を期待するのがもっともな場合には、大卒までの扶養義務が認められる可能性もあります。その手続きの中で、扶養料の確定とともに、過去に支払った扶養料の清算を求めることもできます。とはいえ、一旦支払うと負担分の清算は手間がかかりますし、必要な扶養義務の範囲以上に支払ったから負担できないなどの反論を受ける可能性もあります。
そこで早めに家庭裁判所への調停申し立てを検討すべきだと思います。その場合、扶養権利者であるお孫さん自身からの申し立ても考えられます。お孫さんが必要とする生活費や学資の内訳や支払い実績、あなたがたやお婿さんの生活や経済状態等がわかる資料を準備し、家裁に相談されるとよいでしょう。なお申し立てには関係者の戸籍謄本も必要です。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2022年7月21日号