携帯電話料金は昨年から政府の号令による低料金プラン拡充が進められたが、携帯見直し本舗代表の鮎原透仁氏は、「安くなったことを実感、体感している人は少ない」と指摘する。
「理由は単純で、利用者が行動していないからです。携帯料金は勝手には安くなりません。新しくできたプランやブランドに切り替えないと恩恵は享受できないのです」
NTTドコモ、au、ソフトバンクという大手キャリア3社との契約をなんとなく続けていては、値下げと無縁のままとなる。携帯ジャーナリストの石川温氏が解説する。
「大手3社がメインで提供する料金プランは割高に設定されています。最初の選択肢としては各社が提供する『サブブランド』などに乗り換える方法があるでしょう。ドコモの場合はオンライン契約限定のahamo、au、ソフトバンクならサブブランドのUQモバイル、ワイモバイルなどがあります」
そうした見直しで大きな支出減が見込める。前出・鮎原氏がこう言う。
「先日、3人の70代の方から相談を受けましたが、皆さんドコモ歴20年以上。非常に高い料金プランを選んでいて、見直しによってそれぞれ年10万円、6万円、3万円の圧縮となりました。大手キャリアはデータ通信が使い放題の大容量プランが基本ですし、あまり使わない人向けのプランも割高です。他社のサブブランドに切り替えたら、かけ放題プランでも利用料が半減するなどしました」
鮎原氏は年輩者からの相談を受けた場合、心掛けている点があるという。
「ahamoなどのウェブブランドより、店頭で契約手続きから案内してもらえるUQモバイル、ワイモバイルがいいとアドバイスしています。大手キャリアの大容量プランから切り替えるかの目安は、月のデータ通信量が30GB以上かどうか。ソフトバンク利用者ならショップに行って、“私は何GB使っていますか”と聞けばいい。30GBを下回っているなら、その場で“ワイモバイルに変えます”と言って変えればいいのです」