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社会問題化する「SNS陰口」の代償 侮辱罪は厳罰化、情報開示請求の手続き期間も短縮へ

やばい!と削除したところで、手遅れになるケースも…(イメージ)

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やばい!と削除しても後の祭り

「情報開示請求」とは、インターネット上で他者を誹謗中傷するなどした発信者の情報(住所、氏名、登録された電話番号など)について、情報の開示を求めることをさす。情報開示請求の件数は年々増え続け、投稿者情報の開示請求の大半を扱う東京地裁民事9部によると、提訴件数は2017年には403件だったのが、昨年は894件と倍増した。

 7月には侮辱罪が厳罰化され、これまでの「30日未満の拘留」か「1万円未満の科料」から「1年以下の懲役・禁錮」か「30万円以下の罰金」に大きく引き上げられた。

「10月1日からは情報開示請求のための法律、改正プロバイダ責任制限法が施行されます。これまでは、2段階の裁判手続きが必要で、情報開示までに最低でも半年ほどかかりましたが、法改正により新たな手続きが導入され、2か月ほどは短縮されることが予想されます」(前出・清水弁護士)

 また、相手がログインした通信ルートを開示できるようになったこともあり、うまくいけばより迅速な特定ができるだろう。

「必要な訴訟費用は1件あたり約50万~80万円ですが、開示請求を求める人は後を絶ちません。芸能人のみならず、一般人でも行う人が増えています」(前出・清水弁護士)

 魔が差して、少しキツい陰口を書き込んでしまっただけじゃないか──当人はそう思っていても、司法がそう判断するとは限らない。友人たちと陰口を話すノリで相手を小バカにしただけでも、罪に問われる場合もあるという。OMM法律事務所の大塚和成弁護士が解説する。

「《人でなし》《バカ》《生きる価値がない》など、具体的な事実を示さずに公然と人を侮辱する文言は、侮辱罪に当たる可能性があります。

《これから殺しに行く》《ナイフを持って家に向かう》など、殺害や殺傷の予告などは脅迫罪で、『2年以下の懲役』か『30万円以下の罰金』が、さらに《あいつは前科がある》《学校でいじめをしている常習者》など、公然と具体的な事象を挙げて人の社会的評価を低下させる行為は名誉毀損に当たり、量刑は、『3年以下の懲役・禁錮』か『50万円以下の罰金』となります」

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