相次いで発表される都道府県の「魅力度」ランキングをどう考えればよいのか。10月8日、ブランド総合研究所が「都道府県魅力度ランキング2022」を発表。1位は北海道、2位は京都府、3位は沖縄県となった。同ランキングは毎年最下位がどこになるかが注目されるが、今年は佐賀県だった。一方、10月5日には大東建託が「いい部屋ネット 街の魅力度ランキング2022<都道府県>」を発表。1位は福岡県、2位兵庫県、3位神奈川県となった。最下位は特定せず、41位までを発表。
これらのランキングで取り沙汰される都道府県に住む人たちは何を感じるのだろうか? 例年、茨城県と栃木県とともに最下位争いの常連となっている佐賀県に在住するネットニュース編集者・中川淳一郎氏が考察した。
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正直、ブランド研究所の調査についてはあまり気にしないでいいと思うんですよね。過去に最下位になった県の知事が激怒して抗議するケースもありましたが、放っておけばいいんですよ。
この2つの調査は何が違うのか。まずは両者の調査方法を比べてみましょう。
【ブランド総研】
「以下の自治体について、どの程度魅力を感じますか?」という問いに対して、「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、「どちらでもない」、「あまり魅力を感じない」、「全く魅力的でない」を0点として、それらの回答を自治体ごとに集計(点数)として算出した。
【大東建託】
順位は、居住者の居住満足度と満足度8因子・建物満足度・主観的幸福度・住み続けたい意向の12項目と、非居住者の居住訪問経験(5項目)、認知(2項目)、居住訪問希望(3項目)、個別評価(8項目)の18項目、合計30項目のそれぞれの順位の平均を元に算出しています。
このように、大東建託の調査は、居住者も対象にしているのがポイントです。その結果、ブランド総研の調査で1位の北海道が低くなりました。総合9位ですが、非居住者からは5位で、居住者からは23位です。恐らく居住者からしてみれば「寒い」「光熱費が高い」「雪下ろしが大変」といった理由が影響し、そこまで上位に入らなかったのではないでしょうか。
さて、私が住んでいる佐賀県は、ブランド総研の調査では最下位となり、散々な言われようですが、正直、佐賀に住む者からすれば「余計なお世話だ」の一言に尽きます。一方、大東建託の調査においては総合39位という結果でした。居住者からは22位で、非居住者からは46位です。居住者からすれば、住むにあたってはそこそこ魅力があるということでしょう。それは私も感じています。