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車の運転中に逆走自転車が追突事故 過失割合「車80、自転車20」は妥当なのか、弁護士が解説

自転車は交通ルールを破って逆走してきた上に、急に飛び出してきた…(イラスト/大野文彰)

自転車は交通ルールを破って逆走してきた上に、急に飛び出してきた…(イラスト/大野文彰)

 自転車の危険運転が問題視されている昨今。自動車と自転車の接触事故における過失割合は、自動車側が圧倒的に不利であり、そこに不満を持つドライバーも少なくないだろう。納得いかないドライバーはどうすればいいのか──。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 先日、私が運転する車が自転車とぶつかり、交通事故を起こしました。交通量が多い道路で、自転車は道路の端を私の車に向かって逆走してきて、急に道路の中央によろけたため、避けきれずぶつかりました。相手は転んだときに軽いけがをしたので通院しています。その後、保険会社を通じて交渉していますが、私と相手の過失割合は「80対20」だと言われました。相手は交通ルールを破って逆走してきた上に、急に道路の中央に飛び出してきたので納得できません。どうしたらよいでしょうか。(東京都・48才・主婦)

【回答】
 自転車は道路交通法上、道路の左側を通行しなければならず、特に、車両通行帯のない道路では、道路の左側端を通行する義務があります。被害者(自転車の運転手)は道路交通法に違反していたのですから、提示された過失割合にあなたは不満を感じられたのだと思います。

 民法では「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」としています。交通事故に限らず不法行為で発生した損害は、加害者・被害者の間で責任に応じて公平に負担すべきものですが、争いがあれば負担割合を裁判所が決めることになります。

 実際の過失割合は本来個々の具体的事案により違いがあるはずですが、裁判になった場合、同種事案の間であまり大きな違いがあっては不都合です。そこで、考えられる具体的な事故の態様を設定し、各々の基本的な過失割合を定めます。その基本割合を増減すべき個別的な事情も類型化して過失割合を調整し、個々の事案について具体的妥当性のある過失相殺の割合を定めます。これが交通事故の損害賠償実務のやり方です。

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