吉田みく「誰にだって言い分があります」

誰にだって言い分があるとはいえ「こんなにセコい小市民には会ったことがない!」 筋が通っているのは男か女か

中川:この本に出てくるほとんどの男は、ただ単に何も気付いていないアホ。でもこの本に出てくる女性の言い分にはどこか正当性があると思うし、家族のために頑張っているという空気が見えるんです。例えば自ら一生懸命、節電を心がけているのに家族がついてきてくれないと嘆くお母さんなんかは、好例ですね。一方で、この本に出てくる男は自己中なことが多い。

 それがこの本を通じて感じた男と女の違いですが、それはもしかしたら吉田さんの主観が入っているかもしれない。でも、著者としてはそれで良いことだと思います。

吉田:確かにそうかもしれません。良かれと思ってやったことが裏目に出たりする経験は皆さん多くお持ちです。本音で喋る時に出てくる内容のほとんどは不満ばかりですが、それを形にして発信できることに、私もやりがいを感じています。

(了。第1回から読む

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)/1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者などを経て、2020年からは佐賀県唐津市在住。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『バカざんまい』『よくも言ってくれたよな』など。新刊『過剰反応な人たち』が好評発売中。

吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

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