住宅購入の強い後押しとなる制度である、住宅ローン減税。2024年からは一部変更点があり、「物件の種類による借入上限額」が引き下げられるほか、物件によっては減税が受けられなくなる場合もある。具体的に気をつけるべき点はどこにあるのか。住宅ローンアナリストの塩澤崇氏が解説する。
* * *
「一生で一番高い買い物」と言われる家の購入には、多くの人が住宅ローンを利用しており、毎月の返済負担も軽くはないです。そこで、国は住宅ローンを借りている人向けに、住宅ローン減税(住宅ローン控除)という制度で経済的な支援をしています。
これまで、減税の条件や金額はさまざまな事情で変更されてきており、2023年→2024年にも一部変更点があります。いよいよ2024年が近づいてきましたので、今回はその変更点をわかりやすく説明していきたいと思います。
なお、2024年以降の住宅ローン減税は2023年と比べると一部減額される予定ですが、現在、不動産価格高騰への支援策として現状維持とする案も検討されています。
住宅ローン減税の「減税額」はどう決まっているのか
住宅ローン減税の仕組みのうち、押さえておきたい最大のポイントが「減税額」です。住宅ローン減税額は次の3つのうち一番小さい金額が適用されます。これは2023年も2024年も変わりません。
【1】所得税・住民税の支払額
【2】年末の借入残高×0.7%
【3】借入上限額×0.7%