コンビニエンスストアが、日本に登場してから今年で50年となる。その歴史を振り返るとともに、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキのコンビニ4社の特徴を紹介。今回は、サークルKサンクス、am/pmジャパンと統合して店舗数を拡大し、約1万6289店(2024年1月末現在)を構えるファミリーマートについてお届けする。【全5回の第4回。第1回から読む】
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コンビニで衣料品を買う文化を根付かせた
「ファミリーマートのカラーがもっとも色濃く出ている商品といえば、“コンビニエンスウェア”でしょう」と話すのは、コンビニジャーナリスト・吉岡秀子さん。コンビニエンスウェアとは、ファミリーマートが2021年3月から全国展開しているオリジナル衣料品ブランドだ。
なぜ、コンビニが衣料品を開発したのか。
「これまでコンビニの衣料品は“緊急需要”に対応した商品(下着など)が主流でしたが、デザインや品質にこだわった日常使いできる商品を開発することで、新たに“コンビニで衣料品を買う文化”を作りたいと考えました」(ファミリーマート広報担当)
「いい素材、いい技術、いいデザイン。」のコンセプトのもと、ファッションデザイナーの落合宏理さんと共同開発し、インナーウエアやシャツなど多彩なラインアップを揃えている。
「ファミリーマートは“コンビニファッション”という新たなジャンルを築き上げました。他社のコンビニでも衣料品を扱っていますが、品数やデザインなどのクオリティーの高さではほかの追随を許さないレベルです。2023年11月には、ファッションショーも開催したほどです」(吉岡さん)
ほかにも、ファミリーマート独自のバーコード決済システム「ファミペイ」をコンビニ業界で初めて導入したり、地域の活性化を応援するため、イートインスペースを活用して、親子で食事や体験イベントなどを楽しむ「ファミマこども食堂」を展開するなど、独自のサービスを行っている。