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「ギリギリでも間に合ってしまった…」“誤った成功体験”が先延ばしを助長する ペナルティや報酬で「正しい成功体験」へ上書きすることが重要

溜まった領収書をまとめて精算する作業が苦痛に感じる人も多い(写真:イメージマート)

溜まった領収書をまとめて精算する作業が苦痛に感じる人も多い(写真:イメージマート)

 締め切りや提出期限が決まっている仕事。「こまめに」「早く」取りかかれば余裕を持って間に合わせられるのに、「先延ばし」にしてしまうことはままあるだろう。先延ばしをしないためにはどうすればよいのか。著書『すぐやる脳』が話題の脳神経外科医の菅原道仁氏が解説する。

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先延ばしを助長する「誤った成功体験」とは

「こまめにやる、早めにやる」ことを怠ったため、あとからしんどい思いをする……。

 その代表的な事例のひとつに、企業の経理業務や、ビジネスパーソンの交通費や経費の「精算作業」が挙げられます。

 厳密性が求められるだけに、記憶が確かなうちに済ませてしまったほうがラクなことは事実。とはいえ、ほかの「より優先順位の高い事柄」に押されて、ついつい先延ばしにしがちです。

「会計士さんに経理をお願いしているから、レシートを送ればいいだけなのに、それすらこまめにできなくて、催促されるまで数か月分の帳票類を手元にためてしまう」

 そんな経営者のお悩みを聞いたことがあります。

「お金が戻ってくるのはうれしいはずなのに、その手間のわずらわしさを思うと、早めに着手できない」

 このように嘆くビジネスパーソンも、決して珍しくありません。

「先延ばしをしたくないけれども、どうすればよいのですか?」と訊かれたとき、私は「一度、“痛い目”に遭うことが早道です」とお答えしています。

「痛い目に遭う」とはどのようなことか

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