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【全国の原発状況MAP】南海トラフ地震で懸念される「3か所の原発」浜岡原発・伊方原発・川内原発の現状とリスクを専門家が分析

「揺れ」の被害と「津波」による被害を分けて考える

 まず、地震による原発への影響は、激しい「揺れ」による直接的被害と、その後の「津波」による被害の可能性を分けて考える必要がある。

 元原子力規制庁緊急事態対策監の山形浩史・長岡技術科学大教授が語る。

「原発の施設は、原子炉・放射性物質の安全を確保するために重要な安全設備(Sクラス)、安全には関係するが発電所外にはほとんど影響を与えない安全設備(Bクラス)、安全上はなくても大丈夫な一般産業用と同じような設備(Cクラス)に分類されます。

 Sクラスは原子炉、非常用冷却設備、非常用発電機などで、想定される地震・津波で壊れないよう設計します。一方、外部に送る電気を作るための発電機、変圧器、送電線などは大地震に襲われると壊れる場合がある。送電ができず一般家庭は停電になるかもしれないが、原子炉の安全そのものには影響ありません」

 原発の放射性物質のリスクにも段階がある。

「原子炉で使用中の核燃料は原子炉を停止してもすぐに冷えず、熱を発し続けており、冷却ができないと福島第一原発事故のようになります。一方、プールで保管中の使用済み核燃料は相当冷えているので、週単位、ものによっては年単位で放置しても大丈夫です。洗浄水など液体の低レベル放射性廃棄物は、地震でタンクから漏れることがあるかもしれません。固体の低レベルの放射性廃棄物は、津波で流されない限り問題はありません」

 これを踏まえて3か所の原発の現状を見ていこう(図参照)。

次ページ:全国の原発状況MAPと「3か所の原発」のリスクと現状
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