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ライフ
頼りになる「名もなき友人」

「レシピを教えてくれるスーパー店員」「孫を救ったコンビニ店員」…互いのプライバシーを知りすぎない“程よい距離感の知り合い”が意外な場面で頼りになる

 女性・Aさん(35才/派遣社員)は、コーヒーショップでのおしゃべりがちょっとした楽しみになっているという。

「出勤前に近くのスーパー内のコーヒーショップで、カフェラテを買うのが日課の私。若い女性スタッフと話をするのが楽しみです。

 ある日、仕事で失敗をして落ち込んでいると、『そんなときもありますよ、元気出して』と、カップにニコちゃんマークと『ファイト』のメッセージを書いてくれました。もはや、私が何を頼むのか、どんな決済手段を取るのかも覚えてくれているので、スムーズに購入できて非常にありがたいです」

 心理カウンセラーの古宮昇さんは、こういった関係についてこのように解説する。

「長いつきあいの友達ももちろん大切ですが、“程よい距離感の知り合い”もいいものです。利害関係がなく、相手に見返りを求めもしない。そうした関係ゆえ、変に構えることもなく対等でオープンにつきあえる。得てしてそうした相手が貴重で意外な情報をもたらしてくれたり、困ったときには予想以上に頼りになったりするものです。

 イギリスの大学での研究では(エセックス大学の心理学者ギリアン・スタンドストロームさんによる実験)、カフェで無言で注文だけしたグループと、店員と世間話をしたグループでは、後者の人の方が気分がよくなったという結果が出ています。『こんにちは』『今日はいいお天気ですね』だけでも、その効果はありますよ」

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