“程よい距離感の知り合い”が頼りになるケースも(イラスト/腹肉ツヤ子)
買い物先のレジでなじみになった店員さんや、犬の散歩中によく会う人など、特に連絡先を知っているわけではない、場合によっては名前すら知らないこともある“程よい距離感の知り合い”が、日々の生活の中で頼りになることはままある。そのリアルケースを紹介するとともに、顔見知り程度の人と良好な関係を築くコツを紹介しよう。【頼りになる「名もなき友人」第1回】
スーパーに行くことが楽しみだという女性・Mさん(45才・主婦)は、こう話す。
「毎日行くスーパーの総菜担当のAさんは笑顔が素敵で、売り場で会うと、『どうですか? お口にあいますか?』と声をかけてくれ、話をするのが楽しみなんです。
『健康診断で血圧とコレステロールが高かったの』と話したら、『塩分とコレステロール値が控えめの商品を考えてみるね!』と、数日後には減塩の煮物や脂質控えめのポテトサラダが総菜売り場に。感想を伝えると、惜しみなくレシピを教えてくれてありがたい存在です」
コンビニの店員が孫を危機から救う
女性・Sさん(62才/パート)は、コンビニでのふれあいが思わぬ結果を招いた。
「昨年の秋、娘が切迫早産で入院。私は5才の孫娘を1か月ほど預かることになり、孫と一緒に散歩もかねて、近所のコンビニによく行っていました。店員のKちゃんは子供好きで、孫をかわいがってくれました。20代の彼女は保育士の勉強をしていて子供への対応も上手で、孫もよく懐いていたんです。
そんなある日、家の前にある公園で遊んでいたのですが、ふと孫を見失ってしまいました。公園から出たところで中年男性と一緒にいるのを見つけてくれたのがKちゃんでした。
楽しそうな孫の様子を見て、はじめはお父さんかなと思ったそうですが、Kちゃんは孫が話していた父親の容姿のことを思い出し、『お父さんじゃない!』と確信。すぐに助けに行ってくれたんです。男は逃げ去ったそうですが、Kちゃんがいなかったらと思うとぞっとします」