60才からの友達づくりで失敗しないために
家族ならけんかをしてもすぐ仲直りできるかもしれないが、他人はそうはいかないもの。「ましてや大人の友達づくりにはある程度の距離感が必要です」と古宮さんは言う。その点、互いのプライバシーを知りすぎない顔見知りはまさにオーバー60の『友人』にはぴったり。家族構成や職業を知らないからこそトラブルになる危険性も少ない。
「だからこそちょっとした会話で相手の自尊心を傷つけないように気をつけましょう。こちらに悪意がなくても、相手に不愉快な思いをさせたり、マウントを取る行為をしてしまうのは、暗に『あなたは私よりも劣っている』と伝えているようなもので、相手の自尊心を傷つけかねません。
それを避けるためにも、自分の話ばかりせず、相手が興味を持ちそうな話をすること。たとえば、おしゃれな人に『素敵な色のコートですね、よくお似合いです。パステルカラーが好きですか?』などと聞くと、相手は『自分に興味を持ってくれている』と、心を開くようになります」(古宮さん)
【プロフィール】
古宮昇さん/心理学博士・公認心理師・臨床心理士。著書に『一生使える!プロカウンセラーの自己肯定感の基本』(総合法令出版)など。
※女性セブン2025年2月20・27日号