金価格の上昇が続いている。2019年から堅調な値動きが続いていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した今年4月頃から上昇は加速した。5月18日には東京市場の金先物価格が上場来初となる1グラム6000円台を突破している。
「有事の金」ともいわれる通り、金は金融市場が不安定な局面で買われる「安全資産」の代表格とされる。世界経済の先行きへの不透明感が高まっているうえ、米FRB(連邦準備制度理事会)など先進各国の中央銀行が大規模な金融緩和策を発動していることも金価格を押し上げている要因だろう。
というのも、金融緩和で市場に流通するお金の量が増えると通貨の価値は下がりやすくなるので、金に換えようとする動きが強まるからだ。米中摩擦の再燃も金価格にはプラス材料で、当面は金投資が人気を集めそうだ。
金投資といっても実はさまざまな方法があり、投資スタイルや資金の額によってメリットやデメリットが異なる。主要な金投資の方法について紹介しよう。
テレビCMなどでよく見かけるのが、「純金積み立て」だ。金額を決めて毎月コツコツと買い付けていく方法で、多くの場合積み立てた金を現物で受け取ることが可能だ。受け取らない限りは手元に置いておく必要もないので、盗難や紛失リスクもない。ネット証券でも取り扱いがあり、月1000円からスタートできる。また、売却して利益を出した場合、年間50万円の特別控除を受けられるので少額投資では税制面で有利となる。
ただし、業者によっては買付手数料に加えて年会費がかかる場合もあり、他の投資法と比べてコストが高めである。ネット証券はコストが安い傾向にあるが、現物引き出しに対応していないところがある。また、「消費寄託」という保管方法を採用している業者が万一倒産した場合、積み立てた金が投資家に戻らない可能性がある点には注意したい。