信託報酬が安い米国上場の金ETF
株取引の経験のある人なら、金ETF(上場投資信託)が手軽に感じられるだろう。金価格に連動するETFは、市場が開いている間は株と同じようにリアルタイムで売買可能で、保有中の手数料が安いことが大きなメリットだ。東京証券取引所に上場するSPDRゴールド・シェア(1326)や純金上場信託(現物国内保管型)(1540)のような金現物の裏付けのある商品もある。ただし、口数単位で売買するため、純金積み立てのように定額での積み立てはできない。
より低コストにこだわるなら、米国上場のETFも視野に入れたい。前述した東証上場の2商品の信託報酬(保有している間に支払うコスト)は0.4%(税抜)であるのに対し、SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)は0.18%と半分以下。しかも、投資単位が小さく、2000円程度から投資可能だ。米国上場といっても大手ネット証券では手数料も安く日本株と同じ感覚で投資できるので、有力な選択肢となる。
また、金を対象にする投資信託もある。ETFと異なり定額での積み立てが可能な点が強みだが、保有中のコストはETFの2倍程度かかる。
国内外のETFと投資信託は特定口座を利用できるので、利益にかかる税金は約2割だ。一般NISA(少額投資非課税制度)も利用できるので、その場合は非課税となる。
その他にも、金地金や金貨など、現物で保有する方法もある。なにしろ現物は美しいので、手元に置いて眺めれば満足感は得られるだろう。純金積み立てと同様、売却益には50万円の特別控除が受けられる。ただし、盗難や紛失のリスクがあることは留意したい。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)